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葬儀と初七日法要をまとめて行ったので、当面残っているのは再来月の四十九日法要だけになったが、我が家にはお墓がないので、墓探しもしなければならなかった。病院に入院している時から、既にお墓のことは頭の片隅にあったのだが、まだ先のことだろうと思っていたのでそれほど真剣には考えていなかった。
新たに墓をつくるとなって、いろいろと調べてみるとそれほど多くの選択肢がないことが分かった。つまりお寺の檀家となってお寺の敷地に作るか、霊園に作るかのどちらかの選択肢しかないのだ。では、どちらにするのか?実はあまり深く考えるまでもなかった。もともと俄(にわか)仏教の我が家にしてみたら、お寺の檀家になるのは恐れ多いので、霊園に作る以外に選択肢はないのだった。故人を偲ぶことはあっても、死後の世界を信じていないので、日本の仏教文化に触れるくらいの感覚しかないのだ。子供の頃はお彼岸やお盆にいなかの先祖代々のお墓参りをしたが、大人になってからは久しくしていなかったので、我が家にも毎年日本文化に触れる機会が訪れたのだ。これは子供の教育にとっても良いだろう。
ところで、お墓というと田舎などではたんぼのあぜ道や屋敷の敷地内に建っているが、これは現在埋葬許可がおりないので作ることができなくなっている。行政で決められたところにしか入れなくなっているのだ。鎌倉時代に町中に墓があふれてきたので当時の幕府は市街地に墓を作ることを禁止した。その結果として、山に横穴を掘って墓にしたのがやぐらの始まりと言われているが、今も昔も似たようなところがあるなあと感心してしまった。

さてさて、そんなわけでちょうど新聞に織り込まれていた霊園の広告を持って先日から横浜・鎌倉の霊園をまわっていた。いつの日にか私も入るところなのでかなり真剣に考えたが、場所としては我が家にゆかりのある鎌倉か近郊のエリアに絞った。絞ったところ現在お墓の作れる霊園はたった4つしかないことが分かった。まずは横浜から見学開始。原付バイクで自宅から走ること20分。真夏の陽気の中、霊園に到着すると白いテントが貼られていて、現地見学会の案内板がたっている。バイクを所定の位置に止めると現地案内の人が声をかけてきたので説明をお願いした。お墓を作るのは初めての経験なので知らないことだらけ。しかも俄仏教と来ている。信仰心で作ろうというわけではないのだ。 広告には「XXX万円から」と価格も提示されていたが、最低価格は呼び水でしかないので、最終的にいくらくらいになるのかも気になっていた。そんなこんなで不安を募らせながら墓地内を歩いて1時間ほど説明を受けた。また、このあと鎌倉の霊園でもさらに説明をうけた。いろいろと質問もして多くの知識を吸収することができた。説明を受けて理解したことを以下に整理してみるので、これから霊園にお墓を作る人は参考にしてみて欲しい。
(1) 墓の大きさ(面積)は何種類かあり、当然ながら大きさに比例して高くなる。
(2) 墓も大きいと使う石が大きくなるので、墓石の価格は高くなる。芝墓地は使用する石の量が少ないので安く抑えることができる。
(3) 大量生産できる石ほど安く、最低価格の石がこれに該当する。石の色は薄ピンクの白い石や御影石になるので、名前などを掘ったときに字が見にくくなり、白ペンキなどで着色する必要がある。ペンキは10年くらいで塗り直しする必要がある。
(4) 黒い石になるほど価格は高いがペンキは不要。
(5) 石の形のトレンドは洋型(横置きタイプ)。
(6) オプションとして石の角を削ることができる(浅い角度で削るものと深い角度で削るものの2種類がある)。この曲面処理よって石に高級感が出るようになる。
(7) 卒塔婆を建てるタイプと建てないタイプの二種類の石を選ぶことができる。なお、卒塔婆を建てるとお彼岸・お盆・命日と年4回数本ずつ必要になるので、数万円のコストがかかる。
(8) 線香立てには名前を彫ってもらうこと。自分のお墓の線香立てが割れてしまって、よそ様の線香立てを持っていってしまう人が中にはいるとか。
(9) 花立てには家紋を入れることができるので、知らない人はあらかじめ親・親類などに確認しておこう。
(10) 卒塔婆が立っているお墓の後ろ側や五輪塔タイプの珍しいお墓のそばは避けるようにしよう。
(11) お墓にかかる権利は永代使用権というもので、お墓が自分の土地になるわけではない。不動産で言うところの借地権のようなもので、末代まで年間使用料を払えばずっと使用できますよと言う権利。連絡が取れなくなって、年間使用料が振り込まれないとお墓は更地に戻されて、新規に売られることになる。
(12) 霊園だと開眼供養(お墓をつくって最初のお骨を入れる儀式)や新盆などお坊さんの手配も行ってもらえ、またお坊さんへのお布施やお車代が明示されているので、明朗会計で安心できる。
(13) 現金が無くても、ローン支払いで作ることができる。

 以上、簡単にまとめてみたが、霊園によってもシステムが異なることがあるので、詳しいことは現地で確認しておこう。現地見学会はとても勉強になる。なお、鎌倉の霊園にお墓を作るとなると場所も限られていて数も多くない。購入費用は車を買うのと同じくらいなので、鎌倉の霊園にお墓を作りたい人は早めに作ることをお薦めします。

 

使用機材 : Nikon D1X, Nikon AF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G (IF)